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2026.04.10

【研究紹介】高齢者の転倒予防に矯正インソールが有効 ― 多面的フットケア介入の12ヶ月RCT(Spink et al. BMJ 2011)

高齢者の転倒予防、アクティブな歩行のイメージ

日本において、要介護状態になる原因の第3位は「転倒・骨折」です(厚生労働省 国民生活基礎調査)。高齢者の転倒は単なるケガではなく、その後の寝たきり・生活の質の低下に直結する重大なリスクです。足の痛みを抱えた高齢者にフットケア介入を行うと、転倒リスクを36%減らせる ― そんな画期的な結果を示したランダム化比較試験を紹介します。

研究デザイン

オーストラリア・メルボルン大学ヘルスサイエンス・クリニックで実施された305名の地域在住高齢者(平均年齢74歳)を対象とした、12ヶ月追跡の並行群間RCTです(Spink MJ et al. Effectiveness of a multifaceted podiatry intervention to prevent falls in community dwelling older people with disabling foot pain: randomised controlled trial. BMJ. 2011;342:d3411)。いずれも転倒リスクが高く、足の痛みで日常生活に支障がある方が対象です。

  • 介入群153名:多面的フットケア
  • 対照群152名:通常の足病科ケアのみ

多面的介入の5本柱

介入群には、以下の5つを組み合わせた複合プログラムが提供されました。

  1. 矯正インソール(Formthotics)の装着 ― 足の痛みの元になっている荷重パターンを是正
  2. 靴の選び方指導 ― 滑りにくいソール、かかとをしっかり包む構造へ
  3. 靴購入補助バウチャー(AU$100) ― 「買い換えるお金がない」を解消
  4. 自宅でできる足と足首の運動プログラム ― 内在筋強化とアキレス腱ストレッチ
  5. 転倒予防の教育冊子 ― 家庭内の危険箇所(ラグ、コード、照明)のチェックリスト

結果 ― 転倒率が36%減

12ヶ月間のフォローアップで介入群の転倒回数は対照群の64%にまで減少(発生率比 0.64、95% CI 0.45 〜 0.91、P = 0.01)。つまり転倒リスクが36%低下という、臨床的にきわめて意味のある結果です。転倒による負傷の発生率も介入群で低い傾向が確認されました。

なぜインソールが転倒を防ぐのか

加齢にともない足の内在筋(足底の小さな筋肉群)が萎縮すると、アーチが下がり、歩行時の前後バランスが崩れやすくなります。さらに足の痛みがあると、無意識に「痛くない側」へ体重を逃がす代償動作が起こり、ふらつきの原因になります。輪郭付き熱成形インソールは失われたアーチサポートを補完し、荷重を中足部にも分散させて左右対称な歩行を取り戻します。これに足の運動と適切な靴が組み合わさることで、つまずき・ふらつきの頻度が大きく下がる仕組みです。

ご家族への提案

以下のような兆候は転倒リスクが上がっているサインです:

  • 歩幅が狭くなってきた、小さく歩く
  • 靴下や靴のかかとが片側だけ減っている
  • 起床後すぐの歩行で足裏・膝が痛む
  • 段差や絨毯のふちでつまずくことが増えた

こうした兆候があれば、整形外科または提携医療機関にご相談のうえ、Formthotics™ Medical ラインナップでのフットケアをご検討ください。転倒してからでは遅い ― エビデンスに基づいた予防こそが、ご家族の自立した生活を守ります。

参考文献: Foot Science International – Effectiveness of a multifaceted podiatry intervention to prevent falls (Spink et al. BMJ 2011)

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